
私は欅が大好きです。
欅は木目がきれいで、漆を塗ると美しいので、長年箸木地として使いたいと思ってきました。しかし、既製品の箸木地には、材質と形が自分好みなものはなく、材料選びから自分で行うことにしました。
欅(赤身)を使用し、九ミリ角材を二、三ヶ月かけて乾燥させた後、カンナで削って箸木地を作っていきます。それができたら、自分で掻き採った浄法寺の漆を塗り重ね、さらに数ヶ月かけて完成させます。
漆塗りについては、いくつもの技法がありますが、私の箸では、「木地呂塗」・「呂色磨き」を施しています。木地呂塗は、木地を砥の粉で目止めして素地を整えた後、透明の漆を何度も重ねていくものです。漆の膜の奥に流れる木目が透けて見えるため、欅などの美しい木目を持つ素材に適している技法です。呂色磨きは、“塗立て”ではなく、塗面を研ぎ磨きあげ、光沢を出す技法です。“塗立て”とは違った落ち着いた光沢を発します。
日本人は食事をするとき、必ずお箸を使用いたします。木地作りから塗り仕上げまで、すべて自分で行なっているので多少高価ではありますが、長くご愛用いただけると思います。
私の箸をお気に入りの食器類の仲間に加えていただければ幸いです。
鈴木健司
木地:ケヤキ
仕様:浄法寺漆
長さ:240mm
価格:10,000円(11,000円・税込)


鈴木漆工房
岩手県二戸市浄法寺町樋田18-16
Kenji_suzuki_urushi@yahoo.co.jp